「終の住処となる家を建てようと思っているんです」とは、はじめて会ったときのNさんの言葉。
場所は尾道市向東。温暖な瀬戸内海で緑溢れるこの場所は、全てのものを元気にする自然の力を感じました。
この住まいは、環境風水師とはじめて本格的に取り組んだ本格風水住宅。瀬戸内海の気候風土との対話、日本人の住まいの知恵とも言える「家相と風水の融合」を加えて「日本人のための家」というコンセプトを打ち出しました。
平屋建て木造の55坪、天井高は高いところで4.5m。また南北に長い敷地の特性を活かし、全ての部屋に朝日が入るように、屋根を段違い切り妻形状とし、そこにハイサイドライト(高い位置に設けた連窓のこと)を設置しました。
また従来の屋根の組み方ではなく、「いかに木を美しく見せるか?そしてそれが人の癒しにどうつながるか?」をテーマに登り梁を連続で見せる形を採用しました。
棟梁さんが本当に頑張って作ってくれました。 「リビングで専用のいすに腰掛けるとすぐに気持ちよくてうたた寝してしまいます」とNさん。充実した日々を過ごされているようです。
燻製のように、あぶって耐久性を増した杉板を上部に、腰壁は大地の色に合わせた土壁をチョイス。南北に長い敷地だったが、西側の部屋にも朝日を入れたいというご要望に泡えて、朝日の入るハイサイドライトを設けて、西側の部屋にも日が入るようにした。
デザインは朝日を全室に入れるところからまとめあげました。
600mmピッチでタル木を見せて木の美しさを表現しました
この地域独特で、法事などに20名近く集まるために大きな和室を設けました。イサムノグチ氏の照明を2か所ぶら下げて、和室の中の小宇宙を表現しました。
風水を巧みに組み込んだ空間デザインで取りまとめました
船の甲板で使われていた杉板を再利用して、アプローチ空間に配置させました
西側の部屋である和室にハイサイドライトからの光を欄間からふんだんに取り入れました