この建物は、登山を趣味とする夫婦が短期間だけ宿泊するために建てた週末住宅である。国立公園内の東向き緩斜面に建っており、全方向に雄大な自然を望むことが出来る。
互いに直交しながら連立する独立壁の集まりの中から、必要な室内空間をガラスで仕切るという発想で、この建物をデザインした。この直交独立壁は、全方向に向けて開けた眺望を確保しながら外から見えない場所を作り出し適度なプライバシーを確保するための装置である。また室内を移動するとその壁の間から見える外の景色は複雑に変化する。
すべての内外壁を杉板張りとしているが、木の素材感を残しながらも極力抽象的な壁になるようにデザインした。あくまでもこの空間にとっての主役は外の風景であり、それを制御する直交独立壁は脇役にすぎないと考えたからである。
Location : Kokonoe, Oita, JAPAN Function : weekend house
Site area : 5,323 ㎡ Building area : 78 ㎡ Total Floor Area : 60 ㎡ Stories : 1
Structure (materials) : wooden structure Completed date : november 2008
Photographer : Hiroyuki Kawano