この家は、東西で5mの高低差があり、四方を道路に囲まれ周囲から浮き上がった小島のような土地に立っている。敷地には、古家を取り壊す際、古井戸と根元から新しい株を出している桜の切株があり、それらは残しておいた。
新しく手押しポンプを取り付けた井戸と、井戸を枝下に覆うように育った桜の木は周囲に開き、玄関はその傍に据えている。居間と2階廊下の北側は壁面収納と、一部に机を造り付けており、1階は工作好きの息子さんの工作机に、2階はご主人の書斎として利用されている。2つのワークスペースを結ぶ吹抜を設け、2層分の壁面収納に息子さんの作品を自由に展示する機能が備わればと考えた。さらに、親子のワークスペースを行き来するルートとして、木製のタラップを棚の意匠に合わせて造り付けている。
開けた街並みに向けて開口をとっている。
写真:西川公朗
1階と2階を結ぶタラップ
飾り棚には息子さんの作品が並ぶ。
写真:西川公朗
ソファ裏の開口は台所とつながっている。
写真:西川公朗
上下階の机の位置は重なっている。
写真:西川公朗
開口は居間の吹抜につながっている。
写真:西川公朗