日比生寛史建築計画研究所

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R1301 rhythm(リズム)

所在地 :東京都港区南青山

用  途:テナントビル(店舗・集合住宅)

敷地面積:69.09m2(20.90坪)

建築面積:36.90m2(11.16坪)

延床面積:146.32m2(44.26坪)

構造規模:鉄筋コンクリート造、地下1階/地上4階

竣工日 :2007年7

設  計日比生寛史建築計画研究所

写  真木田勝久

 Concept

・クライアントが求めたもの

この小さな集合住宅は、店舗、事務所、住宅とが密集しながら混在し、今後確実に開発が行われ変わってゆくであろう南青山エリアに建つ。このような周辺環境の中で、クライアントは新しく街をリードしつつ活性化させるようなデザインを望み、また同時に当然のことながらビジネスとしての収益性と資産価値を求めた。

 ・周辺環境や敷地から導かれたコンセプト

敷地はわずか21坪、南側と北側が道路に接し、かつ1.5mの高低差がある。このような過酷な条件と周辺環境の中では昨今の流行である単に表層だけをデザインし着飾った建築では必ず飽きられる。もっと本質的なところから導かれる建築が必要だと感じるとともに、過酷な条件を敷地の個性と捉え、その環境と敷地ならではの計画。いわゆる最小限のものから最大限の効果を追求する。デザインに於いても同様なコンセプトが相応しいということからスタートしている。

 ・自然から学ぶ合理的構造のデザイン化

我達は基本的に思いつきや遊びのデザインは好まない。デザインとは機能性や何らかの意味や役割をもつ合理的なものでなければならないと考えており、この場合は構造体そのものをデザインとしている。具体的には、建築を構成する構造的要素として、床、壁(柱)、天井、階段があげられるが、この全てがデザインの要素として表現されているのである。

一方、クライアントの要望のひとつである高い価値を生み出すという側面からは、一般的な集合住宅では、眺めや陽当たりのよい上層階ほど家賃が高く、下がるにつれて低くなるという構図がある。敷地の個性のひとつである1.5mの高低差を利用することで、このヒエラルキーをなくし、上下階を平等に扱えないかと考え、各々の住戸をセミメゾネットとした。これにより眺めのよい上階に対し、南側と北側の道路二面に出入りが出来る下階という上階にはないメリットを生み出し、要望に応えている。これは入居者にとっても均質になりがちな内部空間に変化を与えている。このセミメゾネットの構成は構造的にも有効に働いており、デザイン的に於いても全体を形づくるジグザグのリズムを実現する上で大きな効果をもたらしている。全体構造は自然界に見受けられる合理的な構造システムに倣い、あたかも一本の樹木が枝葉を広げるかのように、水周りを納めたコンクリートのセンターコアからスラブがキャンティレバー(跳ね出し)となっている。また、東西側ファサードの全面ガラスの上に載るコンクリート壁面を成立させるために、セミメゾネットに必要な内部階段自体が梁の役割を担いコンクリート壁面を支持しているのである。

 ・本質的なコンセプトをもつ建築の力

構造や設備とデザインとの整合性や周辺環境などのコンテクストを読み取ったり、本質的なところから考え抜かれたコンセプトをもつ建築は、街を変え得るダイナミックなエネルギーをもつと思う。この集合住宅プロジェクトは、そのダイアグラムをそのまま形に置き換えたひとつの試みである。

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