WAA ARCHITECTS 一級建築士事務所

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エンガワとドテのイエ

『プライバシーを保ちながら、明るく開放的な家で楽しい暮らしをしたい。』とクライアントは話した。

一般的なスケールの住宅において、プライバシーを保つということと、明るく開放的にするということは方向性の異なる望みだが、クライアントの話を詳しく聞いてみると、完全なプライバシーの確保を望んでいるわけではなかった。道路からの視線や家族のスペースと寝室との間の視線。それらの視線を遮りながら、友達や近所に住む親戚を招いて庭でバーベキューをしたり、家族の気配がつたわる楽しい暮らしを望んでいた。

私達は、昔ながらの日本家屋にみられる『縁側(エンガワ)』を考えた。それらの住宅では居間の前には縁側があり、家族は皆そこに集まり庭へ出て遊んだりもする。近隣の人たちは、玄関ではなく直接縁側に訪れることも多い。そうした<居間、縁側、庭>とが一体となった空間が家族や友達、近隣の人たちとのコミュニケーションを育んでいく。

そして、そのエンガワに敷地の高低差を利用し、その空間を形作る『土手(ドテ)』を計画した。ドテはエンガワと道路の視線を遮ると同時に、エンガワからの風景の見切りにもなる。エンガワには、木製の引き戸を使って内外の一体性を高め、二階とエンガワの間にも、引き戸の開口と同じ長さのスリット状の吹き抜けを設け、一階と二階を柔らかくつないだ。

吹き抜けに面した二階のスペースは、家族の勉強スペースとして使われる。長いカウンターに向かって座り、勉強したり、漫画を読んだり、おもちゃで遊んだり、パソコンをしたり・・・家族みんなで思い思いの時間を過ごす。その空間の奥に個々の寝室が隣接しする。

エンガワとドテによって生まれる空間は、家族や地域との関係に対応した適度な距離感をつくり出す。生活の気配は家全体に広がり、近隣へと滲んでいく。

地域のコミュニケーションが減少し続け問題が生じている現代。高まっている住空間のプライバシーが、家族や近隣のコミュニケーションの減少の一端を担っているように思う。こうした空間づくりは、クライアントの要望を叶えるだけではなく、家族と地域のより良い関係を築いていくことと期待している。

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