都心の狭小地。南北の隣地には、住宅が迫って建っていますが、幸い東側は空地、西側は道路で、その先も開けており、東西の抜けが非常に心地好い敷地です。狭小地でありながら、その抜けを最大限に活かし、同時に居住面積を充分に確保することが求められました。配置計画、フロア計画を充分に検討することにより、この敷地の特性を活かした住宅計画が可能となりました。配置計画としては、建蔽率いっぱいの面積を確保しつつ、東西の抜けを活かすため、建物を敷地内の中央に配置するのではなく、建物全体を北側に寄せ、南側に空きを設けました。フロア計画としては、配置計画、高度斜線により居住空間を計画出来るボリュームは必然的に決まってきます。通常の階高の計画では3階建の建物となるところを、1階と2階の間に天井裏収納を設けることで、「4層の家」を実現しました。法的には3階建のボリュームの中に、4層の空間を計画しています。各階の天井高は低いですが、南側の空きによる東西の抜け、南側に設けた階段による東西及び上下の抜けの効果で、豊かな空間を創設しています。
用途:一戸建ての住宅
規模:地上3階建
構造:木造
所在地 :東京都
竣工日:2010.06
写真:Ryota Atarashi
リビング上部からのトップライトと階段廻りから自然光が降り注ぐ
プライバシーと西日対策により開口部を設けていない黒い外壁
街路樹のある南側には開口部を設け採光・通風を確保
南側・東側側には、大きな開口部を設け採光に配慮
抜けがあり、奥にはテラスを計画
階段の窓から、家族がお出迎え
奥は洗面・脱衣室、手前は上階への階段に続く
両側に天井までの収納を計画
収納には下段に洗濯機2台、中段にリネン庫、上段にエアコンを設置
アイランド型のシンクとIHヒーターを備えた大型の作業台によるオーダーキッチン
隣地の緑(桜)を借景とするために設けた大きな開口部
冷蔵庫の周囲には、食品庫や家電・食器収納をスッキリと計画
上部のトップライトから自然光が降り注ぐ