◇方位に沿わせた建物をコンパクトに敷地の中央に置き、軒のあるやわらかな方形の屋根をそっとかけました。
四季を通して室内日射をコントロール、街なみへの景観と周囲建物への日射にも配慮しました。建物をコンパクトにすることでコストを低減。4つの庭(北、東、南、西)を周囲に生み出し、それぞれに役割を与え内外ともに有機的につなげることで活力ある庭としました。また従来からある土間や砂利・芝生などを効果的に使用したうえで、エコキュートの採用やシーリングファンを配置。環境エネルギーに、より配慮しました。
◇内部においても建物配置と同様、中心性をもつ空間となっています。中央を1階は安息の場(個室) 、2階は団らんの場(リビング・ダイニング)とし、その周りに必要な機能を有機的に配置しました。
庭を含めた空間全てに平面的な入れ子状の重なり層を創り出す… 。それは居住者に安心感を与える“境界”となり、間近さと、遠ざかりという2つの感覚を同時に有する “とけあう空間”を生み出しました。
◇力強さや優しさ、生命感や経年変化を、人の心理に重ね合わせ設えました。
普遍的かつ詩的な建築・風景が誕生しました。日々の機微を柔らかく繋ぐものとして存在しています。 家族の日々をもって、より輝く風景となることでしょう。
設計監理/ 山道勉建築 山道 勉 ・谷 麗子 用途 / 専用住宅 規模/ 2階建 構造 / 木造
所在地 / 大分県速見郡日出町
角地に建つ
家を見つめる少女。
西側の夕景。 漏れ方の異なる光のコンポジション
夕景。 道を照らす行燈のように
1階 広縁
格子引戸を開けてみる
格子引戸を開けてみる
光のヴェールで生みだされた空間は、気持ちもやさしく包み込む
光のヴェールで生みだされた境界は 遮ることで、「場」がつながる
1階個室群
2階 ダイニングより リビング・ワークスペース・たたみニッチを見る。
一室空間のなかに在る 多様な “居場所”
2階 リビングより たたみニッチと、 様々な収納をしつらえた壁面を見る。
人が景色に近づく。 また、景色が人へ 近づいてくる
外が近づく。眼下には別府湾、その先には高崎山
2階 ダイニングより見る。
この一室空間が内包する多様性と居心地は、
人が生活する建築=家にとって大事な核となる
中心性をもった 2階リビング。
有機的につながる諸室が、
リビングを囲むように配置されることで高まる安心感
2階 たたみニッチより リビングとキッチン方向を見る。
方形の屋根のカタチはそのまま天井となり、
部屋全体をやわらかく覆う。
梁と柱でさり気なくエリア分けされた一室空間
2階 リビング・ダイニング・たたみニッチをみる。
屋根のカタチを、天井が写し取る