大阪市東淀川区の「くろだ歯科医院」のエントランスに施工したステンドグラスです。
玄関を入った右、通りの歩道に面した壁面に空いた大きな円形窓。まさに医院の顔とも言える所に施工した透明から乳白色を基調にしたステンドグラスです。
「面取ガラスを使用したステンドグラスを」との施主様からのご要望を元に、歯科医院らしい清潔感と「キチッとした印象」になる様気を配りデザインしました。
透明ガラスを基調にしている事もあり、昼間明るい外側から室内側に見ても光の綺麗さは感じられません。透明ガラスの宿命です。
透明ガラスの屈折などを見る事は出来ませんが、丸いパーツと一部縦と横のスリットに配置した不透明系統のガラスが単なる丸窓では無い事を主張しています。
不透明系統のガラスもこの状態で見ると外から見た時程のコントラストを感じる事はありません。透明ガラス〜気泡を多く含んだガラス〜淡い色の付いた不透明のガラス。全ては太陽が無ければ始まりません。明るい陽に照らされてそれぞれがリズミカルに光を透過してくれます。
淡い藤色の乳白色の円形が、冷たいイメージになりがちなデザインに少しやさしい印象を与えてくれています。
ガラスのテクスチャー(柄模様)によって向こう側の街路樹の見え方が随分と違って見えるのが分かります。
面取ガラス、ストライプ模様のモール、水面を想わせるウォーターガラス、多くの気泡で向こう側が見えないキャセドラルガラス。同じ透明ガラスでもその表情は様々です。
何がどうなるとこの様な影になるのか?現物のデザインよりいっそう複雑化した光と影。時にステンドグラスは計算以上の情景を見せてくれます。ちょっとしたイリュージョンです。
面取ガラスと背景の電柱でしょうか?が相まって作者の知らない「柄」を見せてくれています。縦方向に配置されている斜め柄のガラスは、ストリーキーオパックと呼んでいる淡い藤色の乳白色の手吹きガラス。
昼間の外観とはうって変わり、室内の照明により透明ガラスの質感を発揮してくれています。