豊田空間デザイン室 一級建築士事務所

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衣笠山の家(自宅)

「伝統的な懐かしい形をシンプルに表現」

建築地は広い屋敷を8区画にした分譲地で南北に隣家が迫り、西側のみが道路という立地で、既に他の家は建っていました。風致地区や特別修景地域のため、外観は規制に合わせると奥行の長い40坪弱の敷地のため、配置・形状とも自由度は限られてきます。そこで自然体で京都の街並に協調するように、伝統的な形のなかに清々しくかつ懐かしさを感じるイメージを表現するということになりました。道路側は2.5mほどセットバックして控え、さらに平屋部分「下屋」の屋根を長く幅広く低くして、ヒューマンスケールで馴染み易いアプローチにして、中へと誘うようにしています。

「生成りの暮らしを形にする家づくり」

 この建物は私達夫婦の住まい兼設計のためのアトリエになります。長年考えてきた<小さな家で心地よい大きな暮らし>をという思いがあり、これからの私たちの暮らしや仕事に何が必要なのかを形にするように進めました。 例えば訪れる人に対して構えず、敷居を低くして、気楽にカフェにでも立ち寄るような感覚の住まいにしたいと玄関とリビングを無くして、もっと多目的に使えるスペースを目指しました。そしてナチュラルな衣食住、いわば「生成りの暮らし」というのを基本にしました。目新しいことではありませんが、自然素材は古びても美しく、瓦、無垢の木、塗り壁などは新建材と違った味わいがあり、年月を経るごとに愛着がわきます。特に珪藻土はわらスサを入れてオリジナル色をつくり、ラフに塗ることで土壁風の懐かしい感じにしています。

「日本の住まいのモジュールに合わせて素の形(構造)を表す」

 日本古来のモジュールで造られる構造を出来るだけ目に見えるようにし、上棟した時の構造を残すように意図しました。 プラスしていくのでなく原型を表すようにし、間仕切壁や建具も最小限にとどめました。1階の天井は910mm間隔で梁が架けられ、下屋と2階の勾配天井は垂木が455mm間隔で連なっていき、フラットな天井とは違いリズム感と深み、陰影が感じられます。

「明と暗のある家―開放的なところと籠るところ」 平面は規則的にしていますが、断面(立体)では変化をつけました。2階とロフトの床材はJパネル(両面杉板張の構造合板)を使うことで、浴室以外の天井は貼らず、階高は低く抑えながらも、天井高を確保。玄関を入ってすぐの大階段は丘を上がるような気分にさせます。さらに中2階、ロフトへと、視覚的にも移動するにもわくわくするような構成となりました。 代わって階段下は洞窟のような暗がりにこもる感覚をと、北側は頭が当たらないぎりぎりの高さにし、収納やアトリエ、DEN(書庫兼書斎)などにしています。均一な天井高でなく高低のメリハリを付けることで、家の中に「明(光)」と「暗(闇)」をつくりました。

「家の中のスキマ」

 プランは南・北のゾーンに分けて、中間が「スキマ」となり、東西を貫く「内路地」となっています。狭い空間に無駄なスペースのようですが、真っ直ぐ歩けて風が抜けていく感じが清々しく、東側隣地の緑が借景になります。土間の床タイルが続き、半外部的で空間を分けつつ、緩やかにつなげる装置としての路地としました。

「建具の無い回遊できる空間」

 家全体が緩やかにつながっていくと、小空間ながら様々なシーンが見え隠れします。内路地の文庫本書棚、大階段の書庫、土間のベンチやダイニングの大テーブル、DENやアトリエ、フリースペース、ロフトの見下ろしながら床座で使うデスク等どこでも読書や音楽を聴いたりスケッチや仕事、昼寝も出来ます。日本家屋のように部屋の用途を限定しない彷徨える家です。

「適材適所の収納と造作家具」

 私たちは非常に多くの生活用品に囲まれて暮らしています。それらの居所を確保し整理整頓するのは快適な生活には最も大切、適材適所で仕舞い、素早く取り出したいものです。大きな荷物やシーズンごとの荷物の置場として階段下を利用し、1階の北側に納戸を設けました。 ロフトは収納になってしまいがちですが、開放的な床座の多目的室になります。置き家具は全て止めて、造作家具ですっきり納めることで大きく心地よい生活が出来るように工夫しました。

「省エネで温度差のない快適な環境」

 断熱材は天井・壁ともセルロースファイバーを吹込み、床下エアコン、土間クールをベースに、冬は大型のペレットストーブの輻射熱でじんわりと家全体が暖まります。化石燃料や電力にあまり頼らない自然な温かみを実現しました。 京都の盆地特有の暑さ・寒さも難なく過ごすことが出来ています。

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