梅澤典雄設計事務所が手掛けた伝統木構造でつくる農的くらしの家 | homify
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伝統木構造でつくる農的くらしの家

伝統木構造で造る農的暮らしの家

梅澤典雄

<伝統木構造の家とは>

・日本の山林で育った無垢材を使う。

・金属や接着剤をできるだけ使わず木を組んで作る。

・職人さんの手づくりでつくる。

・日本の伝統をふまえてつくる。

これらの条件に叶うものを伝統木構造と呼びます。

 日本の木造技術は江戸末期には世界で類を見ない高度なものでした。しかし明治以降西洋建築技術を近代日本が目指す建築様式とした国策により伝統木造技術は衰退します。

 事実、現在先にあげた4点を満足する家を造ることはほとんど不可能です。伝統木構造は絶滅寸前なのです。

 一方伝統木構造の家は

・耐久性があって廃棄物が出ないこと。

・化学物質を含まないこと。

・地震や台風に強く、壊れても復旧しやすい構造。

・日本の気候や風土にあっていること。

・持続可能な地域に立脚していること。

と言った特質をもっています。これらはむしろこれからの社会に必要とされることです。

 伝統木構造は文化財の世界だけでなく一般社会の生きた技術として何とか未来につなぐことができないでしょうか。

<農的暮らし>

 建て主は都会の会社勤めを捨て、足柄で無農薬の野菜を生産始めた夫婦。地域に根差し自然に従って生きる二人にふさわしい家をつくることが求められました。

 自分たちが作る自然農法の野菜と同じ、天然素材にこだわり地元の材料で地元の力で家を建てたい建て主の希望から伝統木構造の家を提案しました。

 農業で生計を立てるための最低限の空間としつらえを実現したいというのが条件でした。

<地域材の確保>

 友人の力で地元小田原から南足柄にかけての個人の山林から冬場の新月前1週間以内に伐採し、葉枯らし、天然乾燥をした杉を1年がかりで確保しまし地元の製材所で製材しました。

<軸組み>

 伝統工法による軸組を提案しました。梁は合掌梁として梁成を抑え、1間ごとに柱を配置し架構を単純化しました。桁固め、足固め、力板等で柱を金物を使わず固定しました。

 基準法の仕様規定を満足させるため耐力材として間伐材を利用した格子壁を作りました。

 大きな建設機械や高度な製品を使わず身近で手に入る材料を使った地元の大工、左官、建て主自身の参加による手作りでできています。

<土間のある暮らし>

 農的暮らしを支えるために昔ながらの土間を提案しました。

 農家として米を炊くだけでなく、みその仕込みや煮豆作りに欠かせないかまどを造りました。燃焼効率の高いロケットストーブを利用したかまどを工夫しました。

<パッシブソーラ>

 格子壁に農家で廃棄の問題になるもみ殻を漆喰で固めて充填し断熱材としました。

 省エネルギーは冬の日差しを受ける土間の蓄熱、太陽熱温水器などパッシブなものみです。

<地域経済の再生>

 地域の風土に根差す価値を守ることで初めて人々の豊かな暮らしが実現できます。

 伝統木構造の根底にあるのはこの地域性なのです。

 この「農的暮らしの家」はかつての素朴な民家が持っていた簡素な技術に立ち返ることで今後多くの大工さんが参加できる可能性を持っています。

 同時に地域の林業、農業の再生につながるかもしれません

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