eu建築設計が手掛けた松原の黒い家 | homify
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松原の黒い家

家づくりを主導されたご主人は、シンプルなスタイルを好まれ、特に玄関とお風呂に演出をしてほしい、と、専業主婦の奥さんは台所を好みのカントリー調に、と望まれた。好みが正反対と言ってもいいほど違っているけれど、とても仲の良いご夫婦と話し合いを重ね、少しずつルールを設けながら、まる1年を費やして、お互いが納得できるような答えを見つけていった。

周囲は南北と東側の3面が開けており、外観も状況に応じて各面で異なる様相を見せることとなった。

東側は、T字の交差点に面し、通学路でもあり人通りの多い前面道路に直行する道路のアイストップになる。真っ黒の四角い壁に赤いドアがひとつだけ、というインパクトのある外観とした。

南側は全面を8組の掃出し窓で構成し、8戸からなる小さなアパートのような外観とした。深い軒とバルコニーおよび袖壁で日射の侵入をコントロールしている。

北側は2階建ての木賃アパートの駐車場に面し、視線の交錯が気になる。目隠しと風通しのため、さらに日差しをはね返し、居室北側に採光をもたらすためのアルミ格子で囲われた玄関アプローチを北側に配し、シャープだけれど優しい陰影のあるファサードになるようにした。

こうして振り返ってみると、計画の過程で全体を制御する一つのコンセプトというものがなかったことが、この家の特徴かもしれない。おなじような感覚を最近数回参加したまちづくりのワークショップで感じることがあった。

いろんな価値観の人が集まり、全く正反対の意見も出るような状況で、誰かがどれか一つを選択する、というようなことではまとまるはずがなく、コーディネーターは誰の意見を否定することもなく前向きに考えられるようアドヴァイスをしてくれる。話し合いを重ねていくうちに、いろんな意見が混じりあって、方向性が出てくると楽しい。

建て主に対する設計者の立ち位置として、また個人住宅の計画でそこまで言うと少し大袈裟かもしれないけれど、いろんな情報を誰でも簡単に得ることが出来るようになって、確実に価値観が多様化しているし、同じような素材や形態の家が建ち並ぶようなことはとっくの前になくなっている、そんな状況だから、こういう設計の進め方も有効かもしれないと思う。

そして、どんな時代でもいつもそこにある空や緑、光や風といった自然の要素には、さらに敬意を持って接していきたい。

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