「風景や景観」という意味の「ランドスケープ」、「建築家」という意味の「アーキテクト」、この二つを併せた「ランドスケープ・アーキテクト」という職業があります。
ランドスケープ・アーキテクトの特徴は周囲の自然を保全しながらデザインに取り込み、スペースを設計するという点。設計の対象は外部スペースだけでなく生活環境や居住空間も含まれます。
ランドスケープアーキテクトの仕事は、周囲の自然環境を保全しつつ公共スペースや生活空間に取り込み、その美しさを引き立てながら快適で機能的なスペースを作ることです。
ランドスケープアーキテクトは私的・公共のどちらにも関わります。例えば個人宅の庭や外構のデザインというプライベートなスペース、反対に公園、広場、庭園、商業施設の外構などの不特定多数の人が使用する公共スペースというように、ランドスケープアーキテクトがデザインする対象は幅広くあります。また、生活環境も含んだデザインを行うランドスケープアーキテクトの特性から、都市開発やまちづくりなどのより大規模なプロジェクトに参加することもあります。
ランドスケープアーキテクトの歴史を知るには「ランドスケープアーキテクチャーを取り扱う専門家」として遡る必要があります。すると広大な庭園のデザインがその起源であることが分かります。
舞台は1800年代のアメリカ。ランドスケープデザインの始まりは世界一有名と言っても過言ではない公園、ニューヨーク・セントラルパークです。セントラルパークを設計したのはフレデリック・オルムステッド(Frederick Law Olmsted)という名のアメリカ人男性です。彼はイギリスで発展したランドスケープ・ガーデン(風景式庭園)から大きな影響を受けており、セントラルパーク完成後も多くの公園や都市計画に関わりました。そうしてランドスケープデザインの基礎が築かれ、フレデリックは公式に自らを「ランドスケープアーキテクト」と名乗るのです。
日本にランドスケープアーキテクチャーの概念が輸入されたのは明治時代です。「造園学」と訳されたランドスケープアーキテクチャーは公園や緑地などの公共スペースの整備を行う「公共造園」の分野で発展しました。
ランドスケープアーキテクトとしての国家資格は現在のところ日本にはありませんが、その中では「1級・2級造園施工管理技士」が最も関連性が高いでしょう。そのため海外の教育機関でランドスケープアーキテクチャーを学ぶ人も多く存在します。
ランドスケープアーキテクトとしての民間資格は「ランドスケープコンサルタンツ協会」が認定を行っています。発足して約50年のこの協会は職能の確立や後継者の育成、そして諸外国のランドスケープアーキテクトとの国際的連携を目指して活動しています。
ランドスケープアーキテクトに依頼すべき案件とは例えば、生活空間と外部の自然を総合的に捉えてスペースをデザインしてほしい場合があります。外部の自然環境を取り入れることで内部空間がより豊かに、機能性は失われることなく自然の美しさや開放感を得ることができるでしょう。
九州地方の玄関口である北九州市は日本海と瀬戸内海に面し、入り組んだ海岸線や中央部に連なる山地が特徴です。北九州市を拠点に活動するランドスケープアーキテクトに設計を依頼すれば、これら地元の美しい自然を取り入れた新たなスタイルの住まいが実現することでしょう。
homifyではランドスケープアーキテクトだけでなく多くの造園会社も登録しています。
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