今回の改修工事では、町家の良さの継承・発展を考える一環として『省エネで身体に優しい住環境づくり』にも取り組みました。具体的には、昔の台所の換気口である《煙出し》らしき形跡を《天窓》に読み替え、《うなぎの寝床》とも言われる町家の特徴である《中庭》などを活かして採光と通風経路を確保しています。そして、屋根・天井、外壁、床下には断熱材を入れ、複層ガラスのサッシを採用することで現在の省エネ基準に適合した断熱性能などを確保し、ガス発電・給湯暖房システム(エコウィル)を導入することで、温水式床暖房(+エアコン冷房)と天井扇を組み合わせた空気の循環で緩やかに空調することにしました。
また、環境負荷低減なども意識して、奈良県産スギ・ヒノキの無垢材や土壁などの自然素材も可能な限り使用しています。
その他、改修前に天井で隠れていた板敷は、主屋つし2階の利用可能床面積やその形状を考慮し、つし2階への昇降経路として利用することにしました。