かつては、ひとつだったが4つに敷地が分割され分譲された、いわゆるミニ開発による敷地。
2010年竣工。アトリエ付住宅。
傾斜地にある場所だが、4つの住宅が建つことを念頭に、その関係性をつくろうと考えた。
当該敷地に、通常の間取りの家を建てるとなると、奥の家のファサードが潰れる。
奥の家の住人は、きっと閉塞感を感じるのではないかと考えた。
この住宅の計画においては、リニア状に住宅を計画することで、奥の家の圧迫感を与えることなく、間口は狭いが移動距離をつくりだすことで、狭さを軽減することを考えた。
また、そのことによって、南側にガーデニングをすることが可能なスペースをつくりだすことができた。
いつも人が集まるリビングダイニングを2階に設置し、開放的な出窓をつくることで、風景を眺めることと、より周辺環境との関係をつくりだすことを目的とした。また、木のフレーム、柱が太陽の動きとともに影を映しだし、日々の自然による時間経過を可視化させた。
竣工時においては、1階西奥の室を寝室としていたが、現在では、家族も増え、2階の書斎として使われていた室を主寝室として使っているという。
また、1階のエントランスは、帆布鞄作家の奥さまのアトリエ兼ショップとして、開かれている。