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北側の外観 久保田章敬建築研究所 商業空間 オフィスビル
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北側の外観 久保田章敬建築研究所 商業空間 オフィスビル

スイスに本社があるVICTORINOX社の東京に建つ事務所ビルです。

敷地はアネックスビルと近接しており、長い歴史と由緒ある文化が存在する麻布界隈に位置します。

テーマは、この地域にふさわしい建築の「佇まい」を生み出すこと、そしてひとつの企業がこの地域の「コミュニティ」活動の促進に寄与することです。

敷地は南北二つの道路に面しています。

建物の外観について、南側は2本の梁のデザインにより、水平ラインと立体感を強調することで、大らかな表情を生み出しています。

また北側は、駐車場を確保するため1階をピロティとしたキャンティレバーの構造とし、奥行感のある表情を生み出しています。

これらの建物の表情こそ、この街並みに豊かな「佇まい」をもたらしてくれることでしょう。

さらに、二本の道路を繋げる目的で設けたパッセージ(通り道)は、日中一般の人々にも開放され、通り抜けができるギャラリーとして、地域住民の「コミュニティ」活動を促す役割を担っています。

一方環境負荷への配慮から、建物の東南側のカーテンウォール部分には発熱ガラス採用しています。

冬季は外気温度に従いガラスが通電作用することによって発熱し、コールドドラフトと結露を防止する機能を有し、夏季はガラス面の通電用金属膜により、日射を遮蔽する機能を有しています。

さらに熱負荷の大きい屋上を緑化することにより、発熱ガラスと合わせて地球環境に寄与できるよう配慮しています。

そして素材についてはコンクリート打放し、ガラスのカーテンウォール、白色塗装を用いて、シンプルかつクリーンなイメージを建物に与えており、大谷石、玄昌石、檜の無垢材という日本で昔から使用されている味わいのある素材を随所に採用しました。

こうした素材には気候、風土、歴史と深く関わる場所性(ローカリティ)が存在します。

ローカリティこそ、時を繋いでくれる羅針盤ではないかと考えています。

用  途/事務所

所 在 地/東京都港区

竣  工/2009年4月

構  造/鉄筋コンクリート造

規  模/地下2階、地上2階

敷地面積/412.66㎡

建築面積/244.80㎡

延床面積/854.42㎡

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