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3層吹抜けのエアーフロー空間 久保田章敬建築研究所 商業空間 オフィスビル
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3層吹抜けのエアーフロー空間 久保田章敬建築研究所 商業空間 オフィスビル

麻布界隈には、江戸時代に武家屋敷が軒を連ねたという、長い歴史と由緒ある文化が存在します。

こうした街並みに対して、持続可能な存在感のある建物をイメージし、コンクリート打放しによるシンプルで奥行感のあるファサードをデザインしました。

また、道路沿いのガラスのカーテンウォールには、3層吹抜けのスペースが面しており、ここにディスプレイをすることで、街並みにとって豊かな表情を与えることができればと考えています。

閑静な住宅街という周辺環境を考慮した上で、建物高さをできる限り抑えられるよう地上2階、地下1階の計画としました。

地下に埋もれたスペースは、建物全体面積の約4割を占めています。

この地下スペースには、トップライトと3層吹抜けのスペースを介して、光と空気が流れる自然環境を生み出すことで、地上階とは異なった快適なスペースとなっています。

1階と2階のオフィススペースには、ガラス面に設置したアルミ製のパンチングパネルに、光と風を取り入れながら屋外からの視線を制御する機能を与えております。

さらにパンチングパネルを天井に採用することで、照明と空調システムをバランス良く組み込んだ立体感のある空間を創出しております。

一方環境負荷への配慮から、アースチューブシステムを採用しています。

この建物の基礎底盤下の土の部分に、約40mのチューブを埋設しています。

地上から取り入れた外気がこのチューブ内を通過することで、安定した土の温度と熱交換を行い、

さらに湿度調整機内を通ることで、温度と湿度のバランスが取れた空気を各室内に提供します。

計測データによると、年間平均して約5℃(最大12℃)の空調負荷への低減に寄与しています。

一方中間期(外気温が20℃くらい)には、外気を直接地階の床下に送り込み、3層吹抜けのスペース部分に吹き出すことで、各階に自然の空気が流れるシステムを構築しています。

また素材については、大谷石を無垢材として階段部分に採用しています。

時間の流れとともに風化し変化していく「時」を刻む素材として、この建物に存在感のある表情を与えています。

用  途/事務所

所 在 地/東京都港区

竣  工/2014年3月

構  造/鉄筋コンクリート造

規  模/地下1階、地上2階

敷地面積/213.90㎡

建築面積/127.90㎡

延床面積/421.25㎡

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