田園風景が残る郊外に建つ住宅です。
この住宅は、蔵が3棟並びそれぞれをガラスの屋根でつなぐ建物構成となっています。
あたかも昔から蔵が3棟並んで建っていたかのように田園風景の中にスッと建っているよう配置、仕上げ、意匠等、意識しました。
そのうちの1棟は解体されゴミになる予定だった蔵を移築再生しています。
使えるものはなるべく使うというスタンスで梁、柱はもちろんのこと、基礎石、平瓦、土蔵の扉、建具、箪笥等も再使用しました。
ガラスの屋根の下は、外か内か判らないような通路空間とすることで、蔵と蔵のスキマから緑や空を眺められ、年月の変化を楽しめるインテリアとなっています。
リビングは南側の光を高い位置から取り込み、変化に富んだ光を感じられるような明るい部屋とし、北側の音楽室は、150年前の古材や土塗壁、建具で構成された蔵を北側からの落ち着いた光で満ちた暗い部屋としています。
種別:住宅
規模:木造2階建て
敷地面積:211.78㎡(64.1坪)
延床面積:144.99㎡(43.9坪)
所在地:岡山県
撮影:後藤健治