単純な箱の中に螺旋状にスキップした7つのフロアを配した計画です。
優しい素材と建物を身近に感じる適度なスケール。
そして降り注ぐ光と明るい空間。
手のひらに乗る小さな宝物のようにぎゅっと詰まった等身大の空間を目指しました。
構成について
全体が90cm程度の段差で床をぐるぐると登っていく、螺旋状のスキップフロアーになっています。
これはお客様の要望、動線や部屋と部屋の関係性の問題を解決するための手法であると同時に、空間を緩やかに連続させ家全体にまとまりを持たせるための手法です。つながりの中で「家全体があるひとつのまとまりをもつ」ことが、たとえ小さな家であっても、「視線が抜ける心地良い広がり」と「家というまとまりに包まれている安心感」を生む一つの解決策になると思います。
スケール感と素材について
その「優しく包まれている」感じを出すために、空間のスケール感と素材に特に気を使いました。
ちょっと狭いかなというギリギリの寸法の中に視線の抜けや空間のつながりを持ち込むことで、家に手が届きそうな等身大の関係性の中で心地よさと安心感を感じられる場所になればと思いました。
また、家の人と家との距離感や広がり感を効果的にするため、床は桧の無垢材に蜜蝋ワックス(一部ウレタンクリアー)、壁・天井は桧構造用合板といった、多少ムラがあっても優しさと奥行きを持った材料を使っています。
2012年2月竣工
住宅敷地面積:192.33㎡(58.17坪)
延床面積:106.07㎡(32.08坪)
構造:木造2階建て