この店は、名古屋市西部を中心に5店舗を展開している「space.Vril」の本部として計画された。
敷地の立地は、近くに名古屋高速が通るなど殺風景な場所であり、この場所に雑木林をつくり、5年、10年先の風景をつくりたいと思った。 建物には、4つの「小さな庭」が建物に切込ませてある。
この庭は、雑木林に囲われた様な居心地の良い空間をつくると共に、外部からの視線を柔らかく遮断しながら、内部からは十分な光と、開放感をつくる。
そして、庭の雑木や草花は来客者の目を楽しませ、客席相互に程良い距離感を保ち適度なプライバシーをもたらしている。そうした、あいまいな空間は、外部と内部の境界をなくし、外が内に、内が外に、豊かで、心地良い空間をつくりだす。
また、受付の空間は、オーナーのお客様との精神的距離感を近くしたいとの考えで、受付はカウンターではなく、大きな机(H=700)を置き椅子に座って会話するようになっており、親密な関係を生み出している。