<吹抜リビングと中庭のある家>
敷地は郊外の住宅地であるが、周囲は建て込んでいる。 南側は3階建て住宅、東側は高い地盤に2階建て住宅が建っており、日照があまり期待できず、プライバシーも確保しづらい。それに対し、西側は道路の向う側まで空地が開けている。
このような敷地状況から、西側に開かれたコの字型のプランが導き出された。隣接建物からの視線が全てカットされた中庭は緑潤うオアシスのような空間であり、それに面する各部屋はプライバシーと開放性の双方を獲得できる。
道路から玄関までは中庭を経由するアプローチとした。外出時は庭の心地よさに誘われるままに出かけていき、帰宅時はまず庭に迎え入れられホッとする。アプローチを兼ねた庭を日々行き来することで、四季折々の自然の表情や変化を間近で見て感じることができる。
玄関には広がりをもたせ、奥さまが施術を行うマッサージコーナーを併設している。中庭に開かれたこの小スペースは、日常はセカンドリビングとして機能し、暮らしに潤いを与えている。 コの字型のプランにしたことで、各部屋が中庭ごしに見え隠れし、暮らしの様々な場面で必要となる「適度な距離感」を備えることができた。
リビング・ダイニングは吹抜により上部の本棚コーナーとゆるやかにつながっている。「子供が帰宅時に親と顔を合わせず子供室へ行かないように」というお施主さんの要望に応えたこの吹抜空間は、各室への基点となり、家族のコミュニケーションを支える場となっている。
所在地 :埼玉県朝霞市
延床面積:113㎡
構造 :木造軸組工法
階数 :地上2階建
竣工 :2014年