八幡浜市は海際まで迫る山々に市の名産である蜜柑の段々畑が連なる景観が特徴的な街であり、道の駅からもこの風景を眺めることができる。道の駅のトイレは市外の人の利用も多く見込まれることから、滞在時に少しでもこの街の地域特性を感じられる場所とすることを目指した。
八幡浜の代表的な景観である蜜柑の段々畑をモチーフとした、すり鉢形状の木の大屋根(木傘)でトイレを覆い、すり鉢の中心に中庭を据える構成とした。木傘は道の駅の来訪者に対するアイキャッチとなり、かつ内部にいる利用者の視線を外の段々畑をはじめとする八幡浜の景観にいざなう。夜間はアッパー照明により照らされた木傘が暗闇に浮かび上がり、周囲に対する行灯となる。トイレは24時間使用可能であることから、夜間照明での防犯効果も狙っている。