BROWNIEは国立公園内という恵まれた敷地に建つパン屋であり、設計当初から天然素材、無農薬、無添加といった施主のパン作りへのこだわりを聞いていたこともあり、「自然」という言葉を強く意識してデザインされている。
この建物は、内外装に天然系の木材保護塗料で仕上げた杉無垢材を多用している上、白い壁はしっくい塗り、開口部も木製サッシュを用いるなど、窓から見える風景だけでなく「自然」な建物素材にも囲まれた空間で成り立っている。
店舗棟と居住棟の2棟の間に位置するエントランス空間と店舗に入ってすぐのイートインスペースは、建物の軸線から45度ズレた部分に位置している。このズレは、2つの空間に佇む来客者が南側の風景を眺めたときに、電線や木塀といった些細な人工物すら見えない「自然」の景色だけが見えるようにと平面操作を行った結果である。店舗内観の大きなアクセントになっている折れ曲がる切妻天井も、平面をジグザグに曲げるという設計操作から「自然」に生まれてきたデザインと言ってよいかもしれない。
Location : Kokonoe, Oita, JAPAN Function : shop + house
Site area : 1654 ㎡ Building area : 148 ㎡ Total Floor Area : 131 ㎡ Stories : 1
Structure (materials) : wooden structure Completed date : february 2010
Photographer : Hiroyuki Kawano