札幌中心部の狭小敷地ながら、川に面した眺望のよい場所にたつ個人住宅。
変形した鈍いプロポーションを持つこの建築は、一見、特異な姿を見せながらも、敷地辺に対する周辺環境の対照的なあり様と、多様なアクティビティのための
内部空間の細やかな分節・変化によって、必然的に形づくられている。
「狭さ」は豊かさを内包している。内部を小さな空間に分節し周辺環境や空間との繋がり方の変化させることによって、狭くて多様な豊かな「居場所」を生み出すことを試みた。
多様なアクティビティが内包される住宅にとっては、光や視覚に対する不均質性のようなものが必要なのだと思う。
この小さな家からクライアントの新たな生活が芽生えていくと同時に、この場所の古い街並みに対して、この建築が新たな芽となり、変化を生み出すきっかけと なることを願っている。
個人住宅/延床面積:119.01㎡/木造3階/北海道札幌市/2012年05月竣工