両親と小学1年の姉、幼稚園の妹、保育園の弟が暮らす、5人家族の住まい。
敷地はご主人が生まれ育った江東区の木場駅近く。海岸線が近く河川が縦横に流れ、水との距離を身近に感じる街であ る。隣棟間隔が狭く密集した住宅地で、付近の幹線道路沿いには大きなマンションやビルも多い。
施主の要望は、限られた日照を積極的に採り込みつつ、賑やかな家族の気配をいつも感じられる家にすること。そして 5人家族が将来にわたって十分な生活ができる床面積を、限られた予算で確保する必要があった。
そこで、建蔽率いっぱいにとった3層分のボリュームの中に、子供室やユーティリティの機能をレベルを変えながら箱 のように浮かべ、その間を吹抜やリビング、キッチン、ダイニング、スタディコーナーといったオープンな機能で満た す構成とした。箱には開口を設け、それぞれの場所が閉じすぎず開きすぎず、程よい距離感が生まれるよう配慮している。吹抜けには隣家の間を狙って開けた大きな窓やトップライトから光が注ぎ、家族のアクティビティが溢れる空間と なった。
構造
木造でこの構成を成立させるために、ホームコネクターによる方杖フレーム構造を採用した。これよって2階の耐力壁 を減らすことができ、オープンな空間と閉じた箱の関係性が、意匠的にも構造的にも明快なものとなっている。
設備
温熱環境への配慮として、3層吹抜による上下層の温度差を解消するために、循環送風機を設置した。送風方向を切り 替えることによって、冬は吹抜け上部の暖気を下階へ、夏は1階床付近の冷気を上階へ送ることができる。トップライ トは開閉式として、夏の熱気を逃がす計画とした。
所在地 東京都江東区木場
主要用途 専用住宅
竣工年月 2003年12月
規模 地上3階地下0階
延床面積 126.40㎡
建築面積 44.96㎡
構造 木造
写真 山本陽一建築設計事務所