元浅草の住居, 蘆田暢人建築設計事務所 ​Ashida Architect & Associates 蘆田暢人建築設計事務所 ​Ashida Architect & Associates
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築約25年になるマンションの一室の内装改修設計のプロジェクト。

専有面積約50㎡の中にリビング、キッチン、2つの部屋とユーティリティで構成されている。 古い躯体を新しい材料で覆い隠してしまうのではなく、この建物がこれまで過ごしてきた時間に寄り添ってこれからの時間を経ていくことができるようなデザインを心がけた。 壁や天井は必要な断熱だけ行い、可能な限りコンクリートの躯体を顕しにし、リビングと寝室を隔てる間仕切りにはナラの古材を使用した目透かし壁としている。もう一つの部屋は大きな1枚の布で仕切り、部屋を開放する際には天井に吊り上げて天幕として窓際の縁側のような場所を作り出している。 部屋同士の構成は、小さな面積で部屋を細かく間仕切ってしまうのではなく、目透かし壁と布によって、部屋を分けながらも空間的にはつながっているような関係をつくりだした。目透かし壁を通して隣室から届く光と直接窓から入ってくる光、そして照明の光といったいくつもの光が重奏し、風が通り抜ける居心地のよい居住空間となることを目指した。 従来の「LDK」で類型化される独立した部屋が集まる住居とは異なる、部屋の用途を分けつつも光や風を共有することで生まれる新しい居住のあり方を考えた。

リノベーション/住居/約53㎡/鉄筋コンクリート造/東京都/2013年9月

写真 繁田諭(Satoshi Shigeta)

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