この住宅は山の中腹に位置する穏やかな傾斜地にある。
施主はご夫婦2人と犬(ゴールデン・レトリバー)2頭の家族。
施主からは、この土地が所有している景観を住まいに最大限取込むよう要求された。
構造はRCで壁面を構成し、屋根は鉄骨を採用。水平性と開放性を獲得した構成としている。
レイヤー状に部屋を配置し、最南面に面する広間の天井高さは一番高い所で2,700ミリとしている。レイヤの奥へ向かう程低くなっており、自然に南からの光が意識されるようにした。
どの部屋にいても常に外部からの光や風が入り込み、時の移ろいが生活に潤いを与えるような設えを意図した。
広間:
南面の全面開口前面に2,700ミリの奥行きを持つ軒先空間が光を程よく調整している。また、北側に配された光庭からも日の反射光が巡り、広間に奥行きをもたらしている。
光庭:
四周に光を届かせるようプランの中央に光庭を配置した。この光庭の床仕上はガラス質の白い素材で、光を巡らせる役割を与えている。
写真:松岡満男