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温暖な気候から照葉樹林の山に囲まれた湘南・葉山。
100㎡(30坪)の小さな敷地は、
南側に道路を持ち、南面に広く開いた矩形の土地。
設計のスタートは、当たり前のように南向きを意識しながら、
葉山だからこそ出来るプランを探した。
プランを検討する中、南側道路に付属する電線というインフラの存在によって、
居心地が確保出来ない事に気づいた。
葉山という場所を楽しむ事が出来ないのだ。
その気づきから、南に向く家から、西にある小さい山を意識する家とした。
敷地には、わずかな高低差がある。
その高低差を床レベルの高低差に置き換えて、
西の山に向かって少しずつスキップするプランが生まれた。
床レベルの異なる各室は、小さな居心地を持つ。
それぞれの部屋は、生命のある山に向かって一枚の天井でつながる。
インフラを意識した事から、
ストーリーが生まれ、大きな居心地を持つ家が出来た。
Photo 大友洋祐