北村写真研究所は、写真館とカメラマンの家族の住宅を併せ持つ建築です。
クライアントは、写真館としての充実した機能と、限られたスペースの中で家族の成長に対応できるおおらかな住空間を望んでいました。
敷地は街道の交差点にあり、周辺の街並や山々を眺めることのできる開放的な場所です。この恵まれた環境の中で、周囲の街並とつながりながら、家族が気ままで楽しく過ごせる明るい空間をつくろうと考えました。
建物は、南北に長い切妻の屋根を架けたシンプルな形状です。ガルバリウム鋼板による屋根と側面に対し、建物を切断したように見える白い妻面が、内部の雰囲気を伝える柔らかな表情をつくり出し、内外の連続性を生み出しています。
2階の住居部分の床レベルには高低差があり、大きな空間の中に変化のある住空間となっています
中央に配置された北山杉の磨き丸太の柱が、空間をゆるやかに分節し、丸柱を敢えて動線と干渉するように計画することで、僅かな衝突をつくり出し、建築とそこに暮らす人々との自然な繋がりを生み出すことができればと思いました。
変化のある空間は屋根裏の空間にも連続し、街並みから屋根裏へとつながる谷のような空間が、環境の中に暮らしを位置付けながら、家族を大きく包み込んでくれることを願っています。
新築|店舗併用住宅|延べ面積:135.50 ㎡|木造 2階建|京都府南丹市|竣工:2014.11.01