私たちが暮らしている街が、もっと美しく、もっと楽しくならないかと、いつも考えている。
今回の計画地は、新旧の家が入り混じる住宅地。新しい家はもともとあった敷地が細かく分筆され、
窮屈そうに建っている、昔からある家は緑があるものの塀によって街との関係が絶たれ、排他的な
感じがした。そこで、街とのほどよい関係を保ちながら、人と自然、人と人が寄り添って暮らせる
住まいを目指した。
敷地は北東と南西の二面が接道している。その両方に緑地を設けバッファゾーンとし、その緑を住
まいの内部どこからでも眺められるような建物の形態とした。道路境界には塀やフェンスを設けず、
自然を共有することで街が豊かになっていくことを願った。また、内部はひとつの大きな空間の中で、
場面に応じたコーナーが設けられ、シークエンスを形成している。