東京溜池山王駅の複合ビル内にある飲食店。アーティスト舘鼻則孝氏のクリエイティブディレクションのもと設計を行った。「アートと食の融合」をコンセプトとし、昼はベーカリーカフェ、夜はフレンチレストランの2業態で営業を行う。

白くフラットな空間はギャラリースペースの要素を担う。厨房やサービスカウンターのヴォリュームを彫刻物のように捉え室内を立方体が貫くようなダイナミックな構成とした。照明計画やファサード覆う大きなカーテンにより早朝から夜間の時間帯で変化する業態に合わせた演出を可能とした。中央に位置するショーケースタワーは店内のどこにいても視界を遮らず展示作品や空間を見渡せる様に四方向のはね出し構造になっており、その配置と形状により周囲に生まれる場所に多様性をもたらしている。

 綿密な計画と合わせて施工者の技術力の高さ、施主の英断があってこそインテリアデザインの枠を越えるような計画が実現できた。