周辺のランドスケープと呼応したコートハウス
国道から土手状に 3m ほど下がった場所に建つ住宅。 敷地周辺は根尾断層により、起伏に富み、敷地の北側には山並みが広がっている。 クライアントはすぐ近くの職場からのプライバシーを考慮してコートハウスを要望した。 切妻のシンプルなボリュームを三角形で削り取ることで中庭を設けた。 これにより適度なプライバシーを確保しながらも、周辺に少しだけ開かれ、大きな空を望むことができる中庭となった。 内部空間は三角形の中庭によって捻られ、周辺のランドスケープに呼応するような大きな気積の空洞となった。 荒い漆喰で壁天井をシームレスに仕上げた大きなボリュームは、時間により移り変わる美しい陰影をつくり、中庭からは気持ちの良い風が通り抜ける。 内部の各部屋は箱状のボリュームとして分散し、外部と同じフレキシブルボードで仕上げた。 切妻のボリュームを三角形で切り取るというシンプルな操作と箱状のボリューム、光の状態によって、いわゆるガラス張りとは違った形での、静かでありながら外部的な開放感をもった空間となった。