SAIWAIの家, 株式会社 N&C一級建築士事務所 株式会社 N&C一級建築士事務所 オリジナルな 家
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クライアントは神奈川県の某新興都市から少し離れた郊外で代々続く米屋を営む、ご夫婦と小さい子供2人の4人家族。

所有する敷地は全体で約520坪と大きく、その中に 商店とそれに付属する灯油庫、ご両親の住む母屋、倉庫、アパート2軒。合わせて6棟の建物が建っており、それぞれが明確な敷地境界を持たず建物どうしの間が広いところは駐車場に、狭いところは通路になっていた。

依頼内容は倉庫部分を解体し住宅を新築するという計画であったが、まずは将来の相続問題なども考慮し、建物ごとに敷地を整理する事から設計を始めることにした。建物それぞれに接道要件や建蔽率・容積率をクリアさせた後、倉庫とほぼ同じ建坪の住宅を設計することとなった。

新築する住宅の大きな課題は設定した敷地の3方(西南北)が駐車場で、最多8台もの自動車に家が囲まれてしまうことだった。元々、倉庫の周りは自家用車とアパートの住人用の駐車場になっていて、継続した収益が見込めることから今後も駐車場として使用したいとのオーダーがでたのだ。

この為1階は唯一母屋の庭を臨める東側を解放し、それ以外は西側に配置した寝室に必要最小限の開口を設けるのみとした。

2階はLDKと水廻りで、ファサードである西側の上部に大きな窓を設け、リビングを他の床よりも下げることでプライバシーを確保しつつ、明るい空間となっている。

この家の北側にある母屋と商店に正対して、1階の玄関に広い土間を設けた。

この土間は敷地全体の特性である建物間の通路や駐車場のような曖昧な部分を住宅の中まで引きこむ効果があり、外の通路が家の中まで延長していくような思惑がある。

クライアントは近所の幼馴染やその家族など、大人数で集まって外の通路で宴会をすることも多い。

こんなとき土間と寝室はお母さん方や子供たちの憩いの場となる。

この住宅は新築にも関わらず、代々続くこの家の家族と敷地の歴史を継承する家となった。

色: 灰色
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