碧の家 〈renovation〉– 100年を紡ぐ物語 –, 一級建築士事務所アトリエm 一級建築士事務所アトリエm 北欧デザインの 書斎
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クライアントはお母様と2人暮らし。古くからの住人が多く、ご近所とお互いの鍵を持ちあっていたという。

昭和10年代に建った四軒長屋の1住戸をフルリノベーションする計画だが、1階はキッチン、リビング、お母様の寝室、そして水廻り。2階は寝室と客間。基本的には元のプランを守った。

階段はあまりにも急だったので付け替えたのだが、上りはじめを反対にしたのは、トップライトからの光を、一番暗くなるところへ届けたかったからだ。

1階奥には裏庭があったが、ここはタイル貼りとし、防犯を維持したまま風を通すドアを取り付けた。

ただの通路から、価値ある空間になったのではないかと思う。

その上部、2階奥には洗濯干場があったのだが、お母様は踏み台を置いて外にでていた。

こういった上下移動の障害がリノベーションの動機になることは多い。人は重力には抗えないのだ。

クライアントは、まとまった休みにあちこちと海外へ出掛ける。

特に北欧が好きで、中でも青に惹かれるという。

青というのは奥行きの深い色だ。この計画が目指したのは「碧(あお)」。テーマカラーとなった濃い青が随所にちりばめられている。

床を解体すると、下から火鉢がでてきた。掘り炬燵の下にあったものではという。お母様も越してくる前のことで知らなかったそうだ。 お父様は25年前に亡くなられている。しかし、その思い出はこの場所、この家に残っているはずだ。

人は思い出の中にも生きる。しかし、この計画がまっすぐに幸せへと向かっていたなら、天国のお父様も喜んで下さると思うのだ。

■DETA

大阪府木造 2階建て リノベーション

2017年11月竣工

敷地面積:71.56

延面積:79.81 ㎡

建築面積:52.53 ㎡

1階床面積:52.53 ㎡

2階床面積:27.28 ㎡

工事費用:1437万円


【一級建築士事務所アトリエm 守谷昌紀 大阪,兵庫,京都,奈良,滋賀,和歌山,全国対応】

色: 青色
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