計画の建物は愛媛県の西に突き出た佐田岬半島の中ほど、海から一気に上がった山あいの斜面に貼りつくように建っています。いちばん近くの街でも車で1時間ほどかかるというこの辺りは平らな場所が少なく民家は疎らで、山間にはミカン畑が段を成すのどかな景色を望むことが出来ます。夏涼しく冬は温暖な気候で

別荘地としても多く利用されますが、その一方で天候が変わりやすく急な濃霧や突風が吹き付けるなど 荒々しい自然を時おり見せつけます。

建て主は足に障害を持ち車椅子を利用するご主人とその奥様のお二人。以前ここへ訪れ宇和海の景色に惚れ込んでこの土地を買いました。敷地のほぼ全てが急傾斜地の森でその最上部にわずかに道路と接する平地を有します。家を計画するうえでコスト面を考えると道路レベルに2階玄関を設けた二階建てとすれば造成面積が小さく済むため有利でしたが、その場合 昇降設備が必要になります。建て主の希望を注意深く聞き取り、ご主人が車椅子で思いのままに移動でき緊急時には自力で出入りができるよう道路レベルに床を合わせたフラットハウスとしました。このために斜面に複数の鉄骨支柱を立て全体を浮かせることになり結果としてこの建物を象徴する造形を生みました。また建物自体が景観を乱さないために海を見下ろす道路側からは立面を小さくしミカン畑の斜面に点在する小さな小屋をイメージした外観とし風土に溶け込む佇まいを心掛けました。

素材: スレート
クレジット: PHOTO:GEN INOUE
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