たじま整骨院+R+イエ, arc-d arc-d 商業空間 商業空間
たじま整骨院+R+イエ, arc-d arc-d 商業空間 商業空間

整骨院とエステサロン、住居の複合施設である。仕事場と生活の場を分けたいというオーナーの要望や、完全予約制であるエステサロンと整骨院との客層の違いなどから、それぞれのボリュームを3棟造り、ずらしながら中央の屋根や土間でつないでいる。それぞれの建物への動線は中央屋根の下を通り、大きなアオダモの樹を中心として各棟とその隙間に広がっている。建物同士が少しずつ角度をつけて配置されることにより、駐車場側には開かれて来客を迎え入れ、整骨院の待ち合いの横は、奥行きのある親密な憩いの場を造りだし、診察に来る人々の交流の場となる。生活の場と公の場を区切るRCの壁の奥は、住居棟の南側に位置しプライベートな庭となり、違った拡がりを造りだしている。ご高齢の方は人との交流が通院の理由の一つであり楽しみとなっている。整骨院は敢えて奥側から入ることにより、待ち合いから中央屋根下及びその奥の憩いの場までを一つの繋がりとし、その空間でのたまりと交流を促している。診察室は勾配天井と横長窓により柔らかな空間を造りだし、少し張り出し高めに置かれた横長窓は外部からのベットへの視線を避けるようにし、安心感を与えている。エステサロンはカウンセリングをするサロンとエステルームとに分けているが、壁上部を開け、天井をつなげることにより空間に拡がりを持たせている。南側にはトップライトを持つ庭を設え、各部屋に間接的にやわらかく光が入るようにし、癒しの空間を造りだしている。最奥に位置する住居棟は、1階を3列にゾーン分けし、通り土間、LDK、水廻りとしている。通り土間は玄関機能を主にしながら、整骨院、エステへの裏動線となり、洗濯物を干したりするバックヤード機能も併せ持つ。大きな吹き抜けでもある通り土間は職場と生活の場とのバッファーゾーンであり、また、光や風の通り道でもある。大きな壁に穿たれた6箇所の開口は、建具で通り土間空間と各室との繋がりを調節しながら、光や風を運びいれることが出来る。2階はウォークイン・クローゼットを中心に廻れる動線とし、将来的な区画割りに対応できるようにしている。独立した用途を持つそれぞれの棟を敢えて造ることにより、その隙間や間にも意味や機能を造りだした。この施設全体での調和や相互利用が促進され、オーナー夫婦が目指す、地域に開かれ、根ざした憩いの、癒しの場を造る手助けができていればと思う。

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