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House M, 中澤建築工房 中澤建築工房
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敷地周辺は西に2千メートル級の山々を望む緑あふれる環境にある。

築後120年の古民家は骨組みの傷みが激しかったので、全体の骨組みを生かして改修することはあきらめて、伝統的なつくりの奥座敷を2部屋残して、他は増築することになった。

残した2部屋は最小限の保存工事によって120年の記憶のシンボルとなった。

全体写真の左側が残した既存部分で、右側が増築部分である。

増築部分は既存部分とは構造的には縁を切り、渡り廊下とスロープでつながっている。この家の家族形態が近い将来断続的に変ることが予想できたので、現在の使い方に細かく対応するよりも、気持ちの良さが変わらない空間をつくることを優先した。

 南に山の斜面がせまる圧迫感をやわらげるため、増築部分の1階の床の高さを1メートルにしている。これは水気の多い敷地への対策でもある。

増築部分内部は、4部屋と、家の中心にある広間と水廻りからなる。

各部屋の出入り口は広間につながっているが、広間からは部屋の中の様子は見えない。隣り合った部屋はなく、互いに適度な距離感をもっている。

各部屋は敷地のそれぞれ異なった方向に開口を持ち、各部屋からの外の眺めは多様なものになっている。ある部屋には星を見ながら眠れる天窓があったり、3階に位置する部屋には3方向に窓がある。部屋からの眺めをより美しいものにするために、窓枠を見えないようにしている。壁の外側にステンレス製の敷居と鴨居を設けて、木枠のガラス戸が全開するようになっている。

写真030 全体写真 左が120年経過の既存部分、右が増築部分。

写真188,103 広間上部の様子。家のなかの広場のような場所。

写真103 左側の壁は、内部ではここだけ木を貼り、この部屋によって家の中に家があるような雰囲気をつくろうとした。  

写真097,113 3階への階段。この部屋だけのためにある。

写真225 3階の部屋

写真055 家の裏側外観、周辺からはいちばんよく見える顔。

ステンレス製の引戸の鴨居と敷居で、伸びやかな横のラインをつくった。

写真236 手摺詳細

写真137 窓の様子を下から見上げたもの。ステンレスの敷居と鴨居のレールがよくわかる。 窓にはガラス戸の外に防虫網付き木格子戸があり、 室内のカーテンなどをなしとしている。

写真210 広間、右側の太い柱は古い家のものを再利用した。家の中の広場。

中澤のおすすめ写真は、042,030,055,115,210,137,103です。

写真クレジット Hitoshi Yano

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