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2sr house, 河合啓吾建築設計事務所 河合啓吾建築設計事務所
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ご主人はこの住宅団地で生まれ育ち、近所には友人や挨拶を交わす顔なじみの方がいるこ
の場所に居を構えることを望んだ。 この住宅団地は、開発当時に建てられた住宅、造改築をされた住宅、2000 年代になって建 て替えられた住宅の3つのパターンがある。 それぞれ建物の大きさの差はあれ地域の共有部である道路に対してなんとなく閉鎖的な建 ち方をしている印象を受けた。 具体的には、フェンスやブロック塀で敷地を囲う、駐車スペースを最大限にとる、ほとん どの窓のカーテンが閉められている。といった具合である。 そんな印象を持ったこの地域でこの住宅では、建物/敷地/道路の関係性を再編する必要 を感じた。 道路(地域の共有部)からの導入部に開いている庭を作りそこに1m程高い位置にコンクリ ートテラスを置き、さらに少し上がって住宅の入口部分となる。 道路から建物の入口までを長いアプローチとし、テラスを1m上げることで穏やかな結界 を作り地域に開きながらもプライベート性を保っている。 内部は入口から1m下がるとDK、1m上がるとリビングがありさらにそこから上下すると 他のスペースへとつながっていく。 各スペース間の移動は外部も含め必ず上下運動が伴い、上下する事で、少し狭い各スペー スに奥行きを持たせ、スペース同士が狭さを補い合っている。また上下することで穏やか な結界を作り各場所のつながりを持ちつつ独立性を保っている。 この住宅において、圧倒的な大きさを持つ開口とコンクリートテラス、地域に開いた庭が、 建物/敷地/道路を緩やかにつなぎ、この地域のコミュニケーションが生まれるきっかけ になればと考えた。 地域・町に対して家族だけで閉じてしまうのではなく、個の外部と集団の内部として住宅 を考えることで住宅にも社会性を持たせることができるのではと考えた。

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