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K, 木村松本建築設計事務所 木村松本建築設計事務所
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まちに住むこと
大きな幹線道路沿いの敷地周辺には小規模なギャラリー・工房が点在していて、音楽祭が催される大きな池が中心の公園もある、そんなまちだ。作家であるクライアントと、このまちに住むことについて話し合いながら住宅/アトリエ/ギャラリー・イベントスペース・ショップなどがやや複合的にまざりあった状態を考えた。まず、建物ボリュームを南隣地側寄りに置く。空いたスペースが西側集合住宅のセットバックとつながり、狭い道路側にパーキングとして、あるいはオープンスペース/開放的な庭としての広がりがうまれた。

他人の庭 まちの99パーセントは他人の場所だ、あるときそんなことをふと考えた。私に属する場所の外側にある場所の連なり、そこはすべて私以外の誰かの所有感が強くどうも関わる機会はなさそうである。そのように、私のものとそうでないものの区分がはっきりとしている場所が「まち」だと言えそうだ。だけどそんなまちも歩いていると物理的に入れないが開放的に感じる場所に出会う。例えば視線をさえぎらない程度で手を掛けたりよりかかったりできるほどの低い塀に囲まれた他人の庭、そこは所有区分を越えた広がりをまちにもたらせている。建築をつくること、それはある区分/境界を立ち上げることであるがその境界の状態を「他人の庭」がつくり出している開放性にならってみることにした。

境界の傍 前の道路幅、隣家の起伏や距離、作品、コンサート、創作に用いられる材料、日常の生活など、そんな行為やものからなるいろいろなスケールを横断的に用いながら三つの高さの階をつくる。各階にはしっかりした厚みを持つ腰壁を設えた。腰壁の高さは行為・身体/まちのスケールにあわせて各階で変化させ、その上に「置く」ように配置された開口部が人と近しい存在感を持ちながらFIXガラス越しに見える、厚みを持った腰壁天面の連続が境界を際立たせている。そして腰壁の上の壁は対比的に薄く、柱の大きさは造作の寸法に近く、階段や手摺は家具のフォルムに似ている。この場所はそのようなスケール調整と限られた素材からかたちづくられている。立体的にも豊かな変化を持つまちの中で、なかとそとをしっかりと分ける安心感とともに人の行為の往来を許容する、境界の傍での生活をさまざまに想像した。

■作品タイトル / K

■設計者名 / 木村松本建築設計事務所 ■作品タイトル(英文表記) / K ■設計者名(英文表記) / KimuraMatsumoto Architects

■データシート 建物名称 / K 所在地 / 大阪市住吉区 主要用途 / ギャラリー兼アトリエ兼住宅 家族構成 / 夫婦+子供2人 設計−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 設計者 木村松本建築設計事務所 担当 木村吉成 松本尚子 構造 満田衛資構造計画研究所 担当/満田衛資 柳室純  施工−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 株式会社コハツ 担当 衣川明彦 衣川隆博 構造・構法−−−−−−−−−−−−−−−−− 主体構造・構法 鉄骨造  基礎 べた基礎 規模−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 階数 地上3階  軒高 9,744mm 最高の高さ 10,100mm 敷地面積 75.72㎡ 建築面積 45.60㎡(建蔽率60.23% 許容90%) 延床面積 136.80㎡(容積率180.67% 許容400%) 1階 45.60m2/2階 45.60m2/3階 45.60m2  工程−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 設計期間 2009年4月~2011年6月 工事期間 2011年7月~2012年2月 敷地条件−−−−−−−−−−−−−−−−−− 地域地区 商業地域 準防火地域 長柄堺線沿道地区 道路幅員 東23.64m 北5.45m 駐車台数 1台

「 K 」 Osaka , Japan
Architects : KimuraMatsumoto

Design Team : Yoshinari Kimura , Naoko Matsumoto

Structural Engineer : Eisuke Mitsuda /

Building Contractor : Kohatsu

Site Area : 75.72m2

Building Area : 45.60m2

Completion : 2012 Photography : Yuko Tada / Ayaka Umeda

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4.5

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