好きなものに囲まれて暮らす
形状が三角形、前面道路は急な坂道で、周囲の敷地との高低差もある──という珍しい敷地に建つ家です。計画は、その敷地環境や諸条件を読み解きながら進められました。西側は道路に接し、東側にも隣家が迫っています。高低差のせいで、見下ろしたり見下ろされたりといった視線も考慮にいれておかなければなりません。
浮かびあがってきたのは、同じかたちの二枚の壁、すなわち〈双子の壁〉に挟まれたボリュームです。西側の壁は道路からの視線や騒音を遮り、法面の土留めをする役割、東側の壁は室内から見える景色をコントロールし、また周囲からの視線も遮る役割を果たします。一方、内部空間は、景色の広がる南北方向を軸としてプランニングを展開させました。
インテリアのコンセプトは「好きなものに囲まれて暮らす」。壁面のオープンな棚にお気に入りのものを飾ったりして、それが個性的な空間へと繋がっていくことをめざしました。