2016.7.日本三大松林「虹の松原」に続く浜北海岸沿いにオープン。休眠中の施設を改装し、海の幸・旬の食材が楽しめる静かな宿に変身。海水をろ過し温めた「汐湯」も日帰り利用できるように改装、唐津湾を眺めながら癒しの一時を味わえる。

修景を手伝ったのは、インターロッキング舗装の玄関周りを情緒あふれるお宿に見えるようにと。ハードに舗装されており、下も砂地。植物は弱酸性土壌が好ましい。潮風も吹付ける沿岸の植栽は、クロマツと決まっている。しかし、宿の周りは既にクロマツがいっぱい。松は手入れもかかる。これ以上増やすわけには、と別の風景を要求される。修禅寺のとあるお宿風に・・・。

竹林の再現と決まった。植栽基盤としての土壌改良はあきらめ、最低限の舗装の撤去と客土盛土を試みる。幸い近くで山砂状の真砂土を調達できた。しっかり土壌改良材を混入、モウソウチクとマダケを植込み、布掛支柱で結束。その際に、夜の内に除塩対策も兼ね簡易自動散水チューブを設置。深夜・早朝に自動で雨が降るのだ。風の巻き込みを塞ぐべくウバメガシ等で防風林代わりの植栽を。足元には乾燥防止も兼ねて、剪定材の枝葉の粉砕チップでマルチング。要所には竹林の再現の為、シャガやキチジョウソウ、また佐賀に自生する食用にもなる「オオツワブキ」もあしらった。

玄関までの小径は人が二人並んで歩ける程度の幅で、撫で型にしたジャミコンの洗い出しに両脇には小さな行燈のようなランプを並べ、夕刻からのそぞろ歩きに一役買っている。