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扇の家 すわ製作所 オリジナルデザインの リビング
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扇の家 すわ製作所 オリジナルデザインの リビング

鎌倉、源氏山公園へと続く穏やかな上り坂の途中に竣工した住宅である。地名(扇ガ谷)に表されている様に、土地の周辺は広葉樹が生い茂る小高い山に囲まれた谷のような場所である。谷は”ヤツ”と読む。ヤツはアイヌ語で湿地帯を意味する。この言葉通りこの地域は鎌倉においてもとくに湿度が高い。海岸までの直 線距離は3kmで海洋性の気候帯であるため、内陸に比べ夏は涼しく、冬はあたたかい。鎌倉幕府が建てられた地であり、質実剛健な精神が生み出した文化と建 築がひっそり生き残っているのを感じることができる。建主は、趣味の波乗りと、自然に囲まれた環境での家族との生活を求め、都心から鎌倉へ引っ越された。 借家で数年暮らしたのち、鎌倉がとても気に入り、夫婦と息子、3人の為の家を建てることを決め、この土地を見つけられた。建物が面する坂道は、源氏山公園 に向かう観光客で人通りが絶えない。一目をあまり気にせず生活できるよう、生活の中心となる居間・台所・食堂は2階に配置した。居間の中心部は、床を 350mm程掘り下げ、皆が集い、食べたり飲んだりできるような”場”をつくった。居間、台所、食堂は斜めに配置された木壁柱によって穏やかに区切ってい る。何度もホームパーティーに呼んでいただいているが、概ね女性陣は台所と食堂で談笑し、男性陣は居間、バルコニーで談義ということになっている。それぞ れ談笑していても、斜めの木壁柱によってそれぞれの談笑を意識する程度、この「間」が心地よい。またこの木壁柱の凹凸と、天井の垂木は、室内に陰影をもた らしてくれる。

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注釈