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BOZ, A.H. Architects A.H. Architects
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古くからある閑静な箱根の別荘地で、敷地はほぼ真北に向かって緩やかに傾斜している。斜面からの見晴らしは遠くに富士の姿はあるものの、下方に建つ隣家と、西側の道路を挟んで向かいにある法人施設がまず目に入る景色だった。この土地ならではのつくり方はないものだろうか。そう考えるうち、見晴らしの方向とは逆の、斜面そのものを景観としてとらえることを思いついた。

建物両袖の壁を斜面に向けて延ばし、植栽の配置と軒の深さで斜面上部の道路からプライバシーを確保する。平地と断面を調整していくと、土地の傾斜と元々の植栽がほとんどそのまま生かせることがわかった。 大きな部屋にいくつかの個室がつくというプログラムの中に、水屋付きの茶室という要素があった。この茶室をほかの個室と同様に北側に並べてしまう考え方もあるが、大部屋の中に障子で囲われた雪洞のような島として置くことにした。茶室の存在によって、玄関部分とリビングの部分の物理的な距離ができることで、心理的な距離も生まれている。

PHOTO: Akira Hikone

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