住宅地の中の三角形をした敷地。

終の住処として建替えを行う住み手のオーダーは、「私自身を新たな家に投影させて欲しい」とも取れる、とても曖昧で素敵なものであった。

そんな二つにより形が成された家とも言えよう。

三角形の敷地から生まれた斜線と直線とが重なり合った、画一的でない動きのありながらもシンプルにまとまられた空間。

また斜線は空間に表情を与え、外と内とを曖昧とするきっかけとなり、外部との繋がりを強固にするとともに、

和とも洋とも捉えられる設えが施された内部は、リビングの屋根を支えるシンボリックな丸太やむき出しの大きな梁、

隣地との関係性を意識し配置された、茶室建築の如く季節と時間において様々な光を内部に落とし表情を生み出す障子を備えた窓や天窓と相まって、

モダニズム建築の如く色艶を感じさせるものとなった。

それはあたかも人としての曖昧さや複雑さ、施主の柔らかさや強さを写し出すかの如く心胆的な許容力を持つと感じられる。

また、上記障子を携える窓が存在する壁面には寝室とリビングとを隔てる扉が存在するが、前川国男邸に見られる編芯の回転扉を用いることによって、

解放時の空間の連続性を保っている。

環境が住宅地であり、立て替えという既存コミュニティー内部での計画ということもあって、周囲への配慮も含めた建物の在り方についても留意した点だ。

今回においては自然発生的なその斜線という技法を用いることで、周囲への陽当たりを確保し、外構計画とともに隣地や道路と正対することを避け、

周囲との距離感を図ることにも役立っている。

類似する写真
注釈

見積りのリクエスト

無効 Eメール
有効な番号ではありません。国番号や電話番号に誤りが無いか確認してください。
私の見積もり依頼が専門家に転送されることになります。「リクエスト」をクリックすることで、利用規約を読んだことに同意します。