ラウンドした彫り込みで朝の横から差す光から月夜の薄明りまでの日々光の変化から季節の光の変化を感じられる陰影をつくり出しました。これによって、木目の見え方だけでなく、時計の印象も時の移ろいの中で楽しめる時計となりました。また、丸く彫り込んだ文字盤に彫り込みで目盛りを刻み、全体の陰影の変化を損なわずに時計としての機能を果たせるようにしました。陰影の中で木目が際立つよう光沢を抑えた仕上げにするために蜜蝋クリームで仕上げました。
ムーブメントは、電波時計を使用し、電池をセットするだけで、すぐに使えるようになっています。また、可能な限り無垢板の中に埋め込み、壁に取り付けたときのでっぱりを少なくするようになっています。壁へのあたり部分は、壁を保護するようにフェルト仕上げになっています。ムーブメントのまわりに隙間があるのは、将来のムーブメント交換の際にどのようなものとでも交換できるようにとの配慮から大きめに加工しています。