茶道具は畳の上で、またその空間に合わせた道具のサイズになっているのが大半ではないでしょうか、そのサイズの茶碗を卓上でお客様にお出しした時に違和感を感じました。その違和感は大きさであって、茶碗との距離感でもありました。そこで茶碗を一回り小さくするとランチョンマットに菓子皿と共に収まり、まとまりました。それから愚陶庵では一回り小さな抹茶碗を制作しています。またその経験が現代茶陶を考えるきっかけともなっています。
現代様式に合わせたサイズ、デザインも高台を目立たせずにシャープなシルエットを意識しました。そこに伝統的な織部釉を使い、またしっかり片手で茶碗を持ち水を捨てられるように高台内は削り込み、指が掛かるように機能面もしっかりと意識し制作しました。