15年前に購入し、家族4人が暮らしてきた中古住宅の建替え計画。’70年生まれの依頼主と建築家。高度成長の波に乗って生まれ、社会に出ればバブル全盛なころ。そんな贅沢な時代と、その後の崩壊を体感している。贅沢も本当の豊かさも知っているからこそ、家や暮らしに求めるものも明確になる。そんな建築主の暮らしの楽しみをやさしく包み込む住宅にできればとデザインしていった。暮らしの道具が納まり、生活がそこで始まった。食べる、暮らす、寝る、くつろぐ、何気ない日常が、快適に何気なく過ぎていく。そんな住まいになったと思う。