四方を建物に囲われた旗竿地に1階が親夫婦、2階が子夫婦+子供の二世帯住宅に加えて、子夫婦の仕事場を設けた計画です。
必要な部屋で仕切っていくと窮屈なものになってしまう。そこで寝室や子供部屋といった室の機能を限定せずに、机や寝具といったモノの配置によって居場所をつくる計画としました。
1階は中央の収納を回遊できるように3帖と4.5帖の空間を周囲に配置しています。収納を取り囲む障子は、くつろぐ・寝る・食べるといった行為に合わせて、自在に間地切ることができます。
2階中央の一辺3.6mの部屋は、床面から1.4m浮かせて屋上に突き出だすことで、通風や採光を確保し、かつ隣接する住宅からの視線も入らないプライベートな空間となっています。その下の天井が低い空間と、周りを囲む間口1.8mの廊下のような空間は、住み手がそれぞれの居場所をつくり、居心地のよい場をつくりだしています。
3帖や4帖半、間口1間の部屋、1.4mの天井といったミニマムな寸法空間を組み上げながら、オープンで広がりのある構成を意図して設計しました。
Photo 吉村昌也