周辺は小高い丘陵の上に広がる比較的区画が大きな邸宅地であり、古い住宅の建替えである。敷地は南北に長く変形しており、多少の造成を伴って使用可能な外部空間としての庭園をつくった。令嬢の誕生日に植えたという山桜は大きく成長し、どの部屋からもそれが眺められる様に建物を計画した。コンクリート造のフレームにより構成された単純な形のボックスは桜の木のある南側に向って大きく開いており、主要な内部空間のリビングルームは2層分の吹抜を持つ。北側の前面道路からアプローチするがこちら側は閉鎖的に扱い、エントランスや階段室からは緑だけの風景が見えるピクチャーウインドウを配している。一家の本宅としてのこの住宅は3世代の家族が集うための十分な内外部空間を有する。
2001.6
兵庫県宝塚市平井山荘
専用住宅
設計監理:小林恒建築研究所
施工 :笠谷工務店
構造規模:RC造・地上2階建
敷地面積:1051.35㎡
建築面積: 218.49㎡
延床面積: 304.83㎡
撮影 :杉野 圭