敷地は大阪市内南部の様々な建物が混在する密集地に位置する。短冊型の地形はきれいであるがここに住まいをつくるには周辺の環境とは隔絶したい。3等分した中心を中庭とした2階建てのコートハウスをつくった。前面道路側にガレージとエントランス、そしてピアノ室を置き、その上がリビングルームとなる。中庭を挟んで寝室とバスルーム、中庭の片側はトップライトのある移動空間としての階段室となっており、ダイニングキッチンへと続く。全ての開口部は中庭の方向に大きく開かれているが、2層分の閉鎖的な外壁に囲われているためにプライバシーは完全に確保されている。中庭の上に切取られた天空からの陽光や風雨に唯一の自然を感じる住宅である。
1984.4
大阪市東住吉区山坂
専用住宅
設計監理:小林恒建築研究所
施工 :近畿建設
構造規模:RC造・地上2階建
敷地面積:153.00㎡
建築面積: 91.40㎡
延床面積:140.25㎡
撮影 :田中宏明