綜合病院の駐車場だった敷地への事務スペースを含む保育所棟の増築です。細長く狭い敷地に出来るだけの面積を確保するため、建物は南北に極端に長い形状です。
病院スタッフを対象とした保育所は夜勤対応もあり、子供たちが日夜を過ごす場所となります。建物のワンフロアに計画する保育スペースは、細長い一室空間にできるだけ豊かな空間作りを心がけました。
既存の病室からの視界を妨げないように建物の高さを抑えた中で、空間の長さを活かし、窓の重なり具合と室内から外部へ連続する床によって、のびやかな広がりが生まれています。
保育スペースには外のテラスから光と風と緑を招き入れます。テラス前の階段はお話会の座席にも、発表会のステージにもなります。 均質になりがちな天井を折り上げて、場所の活動に応じて色をつけました。それぞれの場所にふくらみと個性がうまれます。子供たちにも見えやすい楽しげな色合いです。さまざまな異なる活動が連なるような子供たちのスペースができました。
毎日の行き帰りに少しでも緑に触れ、その変化が話題のひとつになるように、と願ってエントランスには黄色い花の咲く木、赤い実のなる木を植えました。